2000年頃のインターネット黎明期以後、従来の直線的なビジネスではなく、あらゆる人と人を繋ぐプラットフォームが様々な業界で誕生し、ドラスティックな効率化が行われてきました。
しかし、国内ソーシャルセクターにおいて、そうした劇的な変化はまだ起きていません。文化的な背景から寄付が集まりにくく、マーケット自体が注目されにくいため、ITプロバイダの参入が難しかったことが理由だと考えられます。アメリカではNPOのみを顧客として年間700億円以上を売り上げるITプロバイダ※1も存在していますが、そうした企業の日本への参入もほとんどありません。
また、こうした背景から、「平均的な人」の平均年収が260万円※2、NPOが抱える課題1位は「人材の確保や教育(66.9%)※3」など、人材面での課題が発生する悪循環にも陥っています。
一方、日本は社会課題先進国と呼ばれるほど多くの問題を抱えており、行政だけでは問題を解決できないという現状にあります。上述のような課題を抱えるソーシャルセクターやソーシャルビジネスですが、新しい課題解決モデルを立ち上げ、活動を大きく広げていき(スケールアップ)、そしてその新しいモデルを一般化(スケールアウト)していく、といった大きな成果が求められています。